読書歴は、まだ少ないですが自分なりにホラー小説5選を選びました。異論、反論あるかと思いますがご容赦ください。他に良い作品、おすすめ作品ありましたら、コメントください。
殺人鬼ー覚醒篇 綾辻行人 1990年1月

90年代のある夏、双葉山に集った<TCメンバーズ>の一行は、突如出現した殺人鬼により、一人、また一人と惨殺されてゆく……。いつ果てるとも知れない地獄の饗宴、その奥底に仕込まれた驚愕の仕掛けとは。
グロテスクでゾッとしました。でも怖いだけじゃなくて、次はどうなるんだろうと気になってページをめくる手が止まらなくなる感じがあります。舞台が閉ざされていて、そこで次々と事件が起こっていくので、読んでいる間じゅうずっと緊張感が続きました。「誰が生き残れるの?」って思いながらハラハラして読めます。単なる残酷描写にとどまらず、人間の心の奥にある狂気がじわじわ迫ってくるところも印象的でした。怖さと不気味さに押されながらも、読み終わったあとには妙な満足感が残る一冊です。
黒い家 貴志祐介 1997年6月

大手生命保険会社「昭和生命」の京都支社で保険金の査定業務を担当する主人公・若槻慎二は、保険加入者である菰田重徳からの呼び出しにより菰田家を訪問する。そこで、菰田家の子供(妻の連れ子)が首を吊った状態で死亡しているのを発見してしまう。
“人間の怖さ”がずしんとくる作品でした。
保険金殺人をめぐる話なんですが、淡々と進む日常の裏に潜む異常さがリアルで、読んでいて胃が重くなるような恐怖があります。お化けよりも人間の方が怖いって思わされました。
リング 鈴木光司 1998年1月

高校生2人と予備校生2人の友人グループが怪死した事件を調査することになった雑誌記者・浅川和行は、1週間前に4人が『伊豆の貸別荘』に泊まっていたことを突き止める。別荘を訪れた浅川は、そこで奇怪な内容が映ったビデオデープを発見する。そのビデオには、不可解な映像の断片が記録されており、「これを見たお前は7日目のこの時間に死ぬ」という、死の宣告で締めくくられた。
映画化されて大ヒットした、誰もがみたことのある映画の原作です。ビデオを見たら一週間後に死ぬという設定がとにかく斬新で、一気に読ませるホラー小説です。
ただの怪談じゃなく、謎解きや人間ドラマも絡んでいて「怖いのに続きが気になる」感じ。読み終わったあと、もう一度映画を見直したくなります。
残穢 小野不由美 2012年7月

この家は、どこかおかしい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢れ」となり、感染は拡大するというのだが――。
淡々とした語り口で進むのに、じわじわと恐怖が積み重なっていくホラー小説です。
派手な怪異描写は少なく、むしろ「語り継がれるうちに形を変えていく怪談」の怖さを体験する感じ。読んでいるうちに、気づかないうちに背後を振り返りたくなるような不気味さが残ります。読み終えたあとには、ホラーを引退しようか真剣に悩んだくらい怖い作品です。
ぼぎわんが、来る 澤村伊智 2015年10月

”あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかんーー。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた ”ぼぎわん”という化け物の仕業なのか。愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが⋯?
じわじわ迫ってくる怪異と、それに立ち向かう人々の姿がとにかく怖くて引き込まれる作品です。
日常がだんだん侵食されていく感じがリアルで、読みながら背中がぞわぞわしました。ホラーなのに人間関係のドラマも濃くて、ただ怖いだけじゃないのが印象的でした。
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